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《蝶籠》

囚われた蝶  捕らえた人間  無垢な君  愚かな僕    交錯し絡み合う  僕たちの歪曲周波数

   

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■STAR BLUES■06

 忘れないウチに第6回!!

■■■■■

 ルートはサファイアの中でも【パパラチア】と呼ばれる貴重なタイプだ。イエローやホワイトなどの青色以外のサファイアは少なくないが、その中でも特に美しく希少なタイプ。学園内でもルートの他には上級生に1人いるだけらしい。

「…ふふ、ありがとう。ちょっと元気出たよ」

「なんだ。凹んでたのか?」

 いつも明るく元気なルート。そんな様子は無かったから少し意外だった。

「そ。補講が結構キツくてさ~。…って、そろそろ出よう!!人いっぱいだもん、良い場所取れなくなっちゃう」

 俺は結局、簡単に着替えてから部屋を後にした。


 【ルビー】と言ってもサファイアのタイプの1つ。御披露目も同じ敷地内の<プラント>の特別フロアで行われる。正直、ルートが一緒でなければ自分からは絶対に行きたいなんて思うような場所じゃない。サファイアにとっては『生まれた』ではなく『造られた』場所だ。

 フロアは既に多くの報道陣や関係者で溢れかえっていた。

「うわー。凄い人の数!!ここからでちゃんと見えるかなー?」

 俺達が陣取ったのはフロアの後方壁寄りの一角。小柄なルートは俺の横でピョコピョコ跳ねている。

「見えなかったら、俺が担いでやるよ」

「なっ!!それじゃ、こっちが悪目立ちしちゃうよ!!ただでさえサボって来てるのに」

「ハハハ、今更だろ?」

 司会がマイクのスイッチを入れる。

 少し落ち着く雑音と高まる興奮。会場の誰もが、未だ開かないステージ上のカーテンの奥に思いを馳せる。大して興味の無かった俺でさえ、雰囲気に呑まれ鼓動が僅かに高まる。

 司会が勿体ぶりながら、ルビー誕生のあらましや御披露目に至るまでの経緯を熱っぽく語っていく。

 今回はルビーの体調やストレスを考慮し、マジックミラー越しの御披露目となることが説明される。

「ちょっと緊張してきたね」

「…だな」

『さぁ皆様!!お待たせ致しました!!今期最高傑作、我らの希望の星【ルビー】でございます!!』

 ステージのカーテンがゆっくりと上がってゆく。



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