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《蝶籠》

囚われた蝶  捕らえた人間  無垢な君  愚かな僕    交錯し絡み合う  僕たちの歪曲周波数

   

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■STAR BLUES■03

 やっと本編です!!


 挿絵入れようと思ったんですけども今時間的に厳しくて無理でした…orz腑甲斐ない。


 過去記事(4/17・3/30)に載せたラフを何となく思い出してみて下さい(汗)。


 ではでは↓

■■■■■

 俺はアスター。濃紺の髪と瞳を持つ【サファイア】。

 あのニュース以来、国中が浮き足立っている。【ルビー】に一縷の期待を抱いて。

 だけど、俺には正直、そんなニュースなんてどうだってよかった。例え、ルビーが何がしかの成果を産んでも俺の生活には何の変化も無い。自分が『死んだ』後の未来なんて不確かなものを夢見たって仕方がない。

「アスター!!こっちこっち」

 学園の廊下。呼ばれて振り返ると、小柄な人影が片手を振り上げて居場所を誇示している。

 親友のルート。緩いウェーブの薄くピンクがかった淡いオレンジ色の髪、今にも零れ落ちそうな程大きな薄い水色の瞳、俺と比べるとかなり華奢な体。一見しただけでは女の子と見紛うだろう。だけど、耳に付けられたIDタグでその間違いはすぐに正される。ルートも【サファイア】だ。

 何人か他の生徒の間を抜けて近付いて来る。

「おはよう、アスター」
「おはよう、ルート。またここ何日か見なかったけど、どうかしたのか?」

 軽く右手をあげ、ルートの左手と合わせる(最近流行の挨拶だ)。

「ん?あぁ、ちょっと課題忘れてさ、監督官に特別補講でみっちり扱かれてたの。まったく嫌になっちゃうよね~」

 頬を膨らませた顔も可愛らしい。が、残念ながらやっぱり男だ。

「そっか。てっきり体調でも崩してるんじゃないかって心配だったけど、無事ならいいさ」
「ふふ、ありがとうアスター。大丈夫だよ」

 二人並んで教室までの廊下を歩く。俺の背が幾分平均より高いせいか、一緒に並んでいるルートの美貌のせいか、俺達は不本意ながらも校内ではちょっとした有名人だ。無遠慮な視線が幾つも突き刺さる。

「今日の授業て何だったか?」
「う~ん?そういや僕も聞いてないなー。実技だったらサボっちゃおうかなー」
「それじゃお前、いくら経っても単位取れないぞ。補講受けたばっかりなんだろ?」
「まぁねー」

 ルートは何てことのない様に笑う。この狭い檻の中での落第は言葉以上の意味を持つというのに…。


.....NEXT


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